タロットカードとは:未来を当てる予言ではなく「心を映す鏡」
「タロットカード」と聞くと、”未来を予言する”いうイメージを持つ方が多いかもしれません。
私はそうでした。
でも、伊泉龍一先生よりタロットの歴史~タロットカードの世界観を学んでそのイメージは一変しました。
本質は何百年もの歴史の中で磨かれてきた思考の地図であり、今ここからの可能性を見るための非常に現実的なツールです。
タロットカードの基本的な仕組みと、なぜそれが「自分軸」を取り戻すのに役立つのかを、分かりやすく解説します。
1. タロットカードの基本の構造(78枚の組み合わせ)
タロットカードは、全部で78枚のカードで構成されています。これらは大きく2つのグループに分かれています。
- 大アルカナ(22枚):人生の大きな転換期や、私たちが魂の成長過程で経験する「普遍的なテーマ(選択、葛藤、調和など)」を描いた重要なカードです。
- 小アルカナ(56枚):日常の具体的な出来事、感情の揺れ、人間関係など、より身近で現実的なテーマを4つのシンボル(杖・聖杯・剣・硬貨)に分けて描いています。
この78枚の絵柄の中に、人間が一生の間に経験するあらゆる状況や感情のパターンが、深い哲学とともに網羅されています。
2. 未来を当てるのではなく「潜在意識(本音)」を引き出す
タロットカードの一番の役割は、未来を一方的に言い当てることではありません。
あなたの頭の中にある「気づいていない本音(潜在意識)」を、絵柄を通して目の前に引っ張り出してくることです。
いつも他人の意见や世間の正解を優先して生きていると、自分の本当の気持ちが分からなくなってしまいますよね。頭の中でいくら「私はどうしたいんだろう?」と考えても、答えが出ずにぐるぐると悩んでしまいます。
そんなときにタロットカードを引くと、カードの持つ深い世界観が、あなたの心の奥底にある感情と響き合います。
「あ、私は今、このカードが示す世界観と同じように、変化を怖がっていたんだ」
「このカードが持つ哲学のように、今は一度立ち止まる時期なんだ」
このように、カードの世界観に自分の現状を重ね合わせることで、頭の中のモヤモヤがすっきりと整理され、納得のいく答え(自分軸)を導き出すことができるようになります。
タロットカードは、あなた自身の心が静かに語りかけてくるメッセージを受け取るための、安全で信頼できる「心の鏡」なのです。
カードの視点から現実を見直す「リヴィジョン」という新しいアプローチ
ここまで、タロットは「潜在意識を映す鏡」とお話ししてきました。この考え方をさらに一歩進め、タロット関係の本を翻訳している伊泉龍一先生が提唱されているのが「リヴィジョン(Revision)」という素晴らしいアプローチです。
リヴィジョンとは、日本語で「見直し」や「視点を変えること」を意味します。
伊泉先生は、タロットを単なる「占い上の意味を覚えるもの」として捉えるのではなく、カードが持つ独自の「視点」を通して、今起きている現実を全く別の角度から眺めてみる(見直す)ツールとして用いる方法を発信されています。
「私の視点」から「カードの視点」へ
いつも他人の意見や世間の正解を優先してきた私たちは、何かが起きたときに「どうするのが『正解』なんだろう?」「周りからどう思われるだろう?」という、他人の視点のフィルター(枠組み)だけで物事を見てしまいがちです。その結果、自分の頭の中だけで答えが出ずに手が止まってしまいます。
そんなときに、たった1枚のカードを引いてみるのです。
例えば、「自分のやりたいことに一歩踏み出せない」と悩んでいるときにタロットカードを引いてみたとします。
そのとき、カードが持つ「世界観や哲学」を知ることで、「もし、このカードの登場人物なら、今の私の状況をどう見るだろう?」と視点を入れ替えてみます。
- 「私」の視点:「失敗したら恥ずかしい。周りに迷惑をかけるかも……」
- 「カード」の視点:「傷つくことを恐れずに、今は純粋に楽しむ段階なのでは?」
このようにカードという「別の視点」を借りることで、他人の目線で固まっていた頭の中がふっと緩み、「あ、こういう考え方をしてもいいんだ」と、あなたにとっての新しい意味や価値を発見できるようになります。
タロットをリヴィジョン(見直し)するツールとして活用することは、自分軸で心地よく生きていくための味方になってくれます。
歴史的な伝統とシンプルな構造を持つ『マルセイユ・タロット』
18世紀から続く長い歴史を持ち、タロットの古典としてヨーロッパで広く親しまれてきたカードです。シンプルな絵柄でアンティークの木版画のような独特の風合いが特徴です。
このカードの大きな特徴は、数字のカード(小アルカナ)に具体的な人物の物語が描かれておらず、トランプのように「剣が3本」「コインが5枚」といった幾何学的なシンボルだけが整然と並んでいる点にあります。
一見難しそうに感じるかもしれません。
カードに描かれた伝統的な世界観や数字やスートの意味を知りイメージを膨らますことでリーディングを行います。

深い哲学を持つ『ウェイト=スミス・タロット』
1909年にイギリスで誕生し、今や世界中で「最もスタンダードなカード」として広く使われているタロットカードです(「ライダー版」とも呼ばれます)。
このカードの大きな特徴は、78枚すべてのカードに絵本の一コマのような具体的な物語の背景が細かく描かれている点です。実はこの絵柄の一枚一枚には、古代からの深い哲学や、宇宙の仕組みを表す「生命の木(セフィロト)」の思想が美しく織り込まれています。
このカードが持つ「世界観(物語の背景や意味)」をほんの少し知ることで、タロットは自分を知るための強力なツールになります。
カードに描かれた世界観を正しく知ると、「あ、今の私の状況って、まさにこのカードが示す世界観と同じだ」「私は今、この登場人物と同じ役割を演じているのかもしれない」と、自分の現状を客観的に重ね合わせて見つめ直すことができるようになります。
カードの世界観を「自分の心を映す鏡」にすることで、普段は閉じ込めていた本音が引き出され、誰の意見でもない「私は今後こう過ごしたい」という現実的なメッセージを受け取ることができます。
タロットが持つ深い哲学や世界観をじっくり学びながら、それを今の自分に重ね合わせて、着実に自分軸を育てていきたい方に最適なカードです。

私のお気に入り:親しみやすさと癒やしを兼ね備えた『白猫タロット』
歴史的な二大定番タロットカードに加えて、私が個人的に愛用している『白猫タロット』です。
先ほどご紹介した「ウェイトスミスタロット」の持つ伝統的な物語や構造をベースにしながら、登場人物がすべて愛らしい「白猫」に置き換わって描かれています。
タロットカードの中には、「なんだか絵柄がシリアスで、悪い意味だったらどうしよう……」と身構えてしまうこともあるかもしれません。白猫タロットカードは、親しみやすい白猫たちが優しくカードの世界観を表現してくれています。
「タロットカードの絵が怖い」と感じる方に最適です。伝統的な構造はそのままなので、ゆくゆくはマルセイユタロットやウェイトスミスタロットにも触れたいという方に、ぜひ手にとっていただきたいカードです。
